しらたまの飲酒ブログ

日本酒ばかり飲んでいたら、他の人は消えてしまった。別ブログではその辺の雑草とか採って食べてます→ https://shiratamarr-michikusa.hatenadiary.jp/

秋鹿純米大吟醸の妹(プティ・スール)になった

秋鹿は大好きな銘柄のひとつで、気温が低くなってくると毎年決まって飲みたくなってくる。濃醇で酸キレッキレの秋鹿は、豚の角煮、牛スジの煮込み、大根の炊いたんなど、味のしっかり染みた、とろっとしたテクスチャーの料理に最高に合う。

 

今回、関西の知り合いから頂いた秋鹿の純米大吟醸純米大吟醸なんて自分で買うことがほとんどなくなってしまったので、手を合わせ、床に額をこすりつけてから、有難く頂く。

 

秋鹿酒造(大阪府豊能郡能勢町

秋鹿 純米大吟醸 一貫造り

アルコール 16%

米 山田錦(自営田産)

精米歩合 40%

酵母 協会9号(自家培養)

 

f:id:shiratamarr:20200919222404j:image
f:id:shiratamarr:20200919222410j:image
f:id:shiratamarr:20200919222414j:image

 

米も酵母も自前。

ラベル一面にヒエログリフが刻まれています。

山田錦」は様々な理由で最高の酒造好適米とされています。事実そうなのですが山田錦を使えばいい酒ができるというものでもなく、栽培方法によっては、相当のバラツキが有り、品質にかなりの影響を与えます。

蔵を整え、原料を吟味し、技を尽くしきって最後は神に祈る。酒造りを生業とする者が納得のゆく酒を造るには、原料の米作りそのものに関わりたいと願うのは自然の成り行きであり、X X X人(注:欠損により解読できない)の夢でもあります。

幸い当地能勢は最も米作りに適した土地柄であり、昔この「山田錦」を栽培し、灘、伏見に出荷していた実績もあります。当蔵が原料の米作りから一貫して造りあげたこの酒は、夢に挑戦した「蔵人のこだわり」そのものであり、喜びです。ただひとつ残念なのは、能勢の方々に味わって頂けるほどの仕込みが出来ない事です。

 

 

 

強すぎない穏やかな酢エチ香。ボリューム感は控えめ。

大吟醸ということもあり、淡麗で透明度が高いが、じんわりと味が広がる。甘味、苦味など特定の味覚が前に出るということはなく、極めてニュートラル。米の存在感は表にこそ出てこないが、名残りあるいは予感としてこの酒の味の根っこの部分に存在しており、軸のしっかりした印象を受ける。以前飲んだ、青森県十和田市の鳩正宗の低精白酒と方向性は似ているけど、鳩正宗よりも綺麗さが際立っている。

 

背筋のスッと伸びたような、弦をピンと張ったような、そんな緊張感のはらんだ美しさがある。

 

マリみての祥子さまやんけ。

 

f:id:shiratamarr:20200923123542j:image

タイが曲がっていてよ。

 

 

以前、お姉さん銘柄として浦霞を紹介したことがあったが、浦霞はお姉"ちゃん"あるいはお姉"さん"であった。

 

秋鹿純米大吟醸はお姉"さま"である。そういう気品と芯の強さを兼ね備えている。