信州旅行の土産を飲む④ 〜 いろんな真澄を飲み比べた
知名度でも製造量でも、真澄を醸す宮坂醸造が諏訪の五蔵、さらには信州の酒蔵を牽引する存在だろう。なにせあの協会7号酵母の発祥蔵である。
協会7号、好きなんですよね。あの清涼感のある吟醸香の黒髪ロング感。幅広い料理と喧嘩せず、しかし迎合はしない。口数は多くないけど、密かにしっかりと自分の芯を持っているような感じ。セーラーマーキュリーっぽくていいですよね。ちなみに皆さんはセーラームーンの中では誰推しですか?私はセーラーマーズのレイちゃん推しです。
宮坂醸造さんの代表銘柄である真澄は以前からよく飲んでいた。信州旅行の折にショップに立ち寄ったので、あらためて何本か買って飲んでみた。
□ 真澄 本醸造
協会7号酵母
精米歩合 60%
アルコール度数 15度
長野県産 美山錦
協会7号のイメージが先行していつも忘れてしまうんだけど、真澄ってけっこう重厚さがあるんですよね。本醸造はそこに適度なキレと軽やかさが出ていて大変いい。中庸の手堅さ。
□ すずみざけ 純米吟醸
協会7号酵母
精米歩合 55%
アルコール度数 14度
長野県産 美山錦・ひとごこち
酸味の効いた低アルコールの夏酒。軽めではあるけど、旨さが乗っているので、スイスイ飲むというよりあくまでも食中酒として。豚しゃぶを乗せた冷やうどん、あるいはレモンを絞ったカルパッチョ(ヒラメなどの綺麗系の白身よりも味の濃いヒラマサとかシマアジの方がいい)なんかが、酒のテンションとちょうど合うかな。
真澄のラベルについているQRコードを読み取ると詳細な解説を読むことができるので、私の感想なんかよりこちらを参考にしてください。
□ 真澄 ①純米吟醸酒 真朱AKA / ②純米酒 茅色KAYA
①
山廃 純米吟醸酒
協会7号酵母
精米歩合 55%
アルコール度数 15度
長野県産 美山錦・ひとごこち
②
長野県産 美山錦・ひとごこち
純米吟醸は協会7号らしい草っぽさの中にヨーグルトのような丸い酸の香り。複雑みがありながらも、キレよし。
純米酒は穏やかな酢エチ香。苦味と渋味のある印象的なアタックに比べて、余韻のあとぐされがなくライト。重厚なようなそうでないような、絶妙なバランス。
2本とも晦渋でいぶし銀の趣。燗につけても最高だろうが、小瓶で買ったので燗にできませんでした。なんで小瓶を選んだんだ俺は。
協会7号ってこういう酵母だよねっていうイメージが出来上がってるんだけど、宮坂醸造のお酒はどれも協会7号を使っていながらも多様性があって、協会7号ってこんなんだっけ?という驚きがある。あらためて宮坂醸造の懐の深さを思い知りました。