新澤醸造店さんの酒をしこたま飲む会 @ 仙台
北仙台『和酒バル 二喬/NIKYO』さんにて開催された、「伯楽星&あたごのまつを愛でる2020」に参加してきた。
ありがたいことに、3年連続でお誘いいただいた。
二喬さんのブログ↓
造り手との宴UTAGEvol.47ご参加の皆様ありがとうございました♪ #伯楽星 #あたごのまつ | 日本ワインWine・日本酒Sakeのコンシェルジュ-◇ryusei◇_nikyoの日々in仙台
愛知からわざわざ日本酒飲みに仙台に行くのかよと思った御仁もおられるだろうが、愛知から仙台なんてひとっ飛びですよ。
そう、Air Asiaならね。
エアアジア・ジャパンがセントレア=仙台線に新規就航 - トピックス | 中部国際空港 セントレア
2泊3日、初日は仙台在住のツイッターのフォロワーさんのお宅で酒をしこたま飲み、2日目は新澤醸造店さんの酒をしこたま飲み、最終日は酒屋で酒をしこたま買うという、寸分の隙もない旅程である。
かじかんだ手を股に挟んで温めるなどしながら、地下鉄で北仙台に移動。(愛知県民はあまり寒さに慣れておらず、かじかんだ手を股に挟みがちであることが一般に知られている)
北仙台駅から徒歩数分、レトロな雰囲気漂う仙台浅草。
二喬さんの暖簾をくぐる。
今年の会にも、新澤醸造店の敏腕営業・戸田さんが来てくださっていた。
会いたかった。
酒がサーブされる。
酒の肴にセリと牡蠣が出てくるあたりが心憎い。
この日の酒はこんな感じ。
① あたごのまつ スパークリング
④ あたごのまつ ひと夏の恋 純米吟醸 (ひとめぼれ)
⑥ あたごのまつ ささら 純米吟醸 おりがらみ生酒 (蔵の華)
⑦ 伯楽星 純米吟醸 おりがらみ生酒 (蔵の華)
⑧ 伯楽星 純米大吟醸 (雄町)
⑨ 伯楽星 雪華 純米大吟醸 おりがらみ生酒 (雄町)
⑩ シークレット枠: 10年寝かせた純米大吟醸 (雄町) ← ちゃんとメモるのを忘れちゃった
スパークリング。
よくあるスパークリング日本酒よりもずっとドライで、料理にもちゃんと合う味の設計。
伯楽星と愛宕の松を飲み比べていく。
歴史ある銘柄である愛宕の松(あたごのまつ)の方が、伯楽星よりも甘さのある設計て、グルコース感の人懐っこさがある。
伯楽星には、シュッとした爽やかさ。
10年寝かせの古酒はバニラのような芳しさで、熟成によりメイラード感やとろみが加わっても、綺麗な印象は変わらない。
⑤のあたごのまつの純吟は、四谷の地酒専門店『鈴傳』の限定品で、アメリカ人のサムさんが醸したもの。
味がわりとしっかり乗っていて飲み応えあり。
余談だが、サムさんは"なんでそんなに精米せなあかんねん"派の方らしい。
それにしても、新澤醸造店さんは、全国最年少杜氏の渡部七海さんをはじめとして若い造り手がいて、彼らがタンクを任されているからすごい。(私なんていい歳してエクセルに数字を打ち込む仕事しかしてない)
それが可能になる背景の一つには、新澤醸造店さんが使っているタンクが他の酒蔵と比べて小型だということがあるようだ。
タンクを任せてみて、出来上がったものを見て、愛宕の松と伯楽星どちらとして出すか判断する。
また、小さいタンクは醸造上のメリットもある。
発酵の過程で生まれる対流がタンク内に十分行き渡り、発酵が均質に進むため、余計な櫂入れをする必要がなくなる。
櫂入れのしすぎは、米が潰れ、必要以上の甘みや雑味が出る原因になるため、櫂入れを抑えることにより、濾過しなくても澄んだ酒質になる。
さらに、タンク(=ロット)が小さいからこそ、プライベートブランドを請負ったりもできる。
仙台市内のいくつかの居酒屋で飲める「酒場の純米大吟醸」は一例。
(以上、すべて戸田さんと二喬さんの説明の受け売りです、ありがとうございます)
伯楽星は新澤社長が就任した直後の2002年にリリースした銘柄で、「究極の食中酒」というフレーズは有名だが、飲み疲れしない酒を目指したのだという。
毎年、この会の前日にフォロワーと酒をしこたま飲むという謎の前哨戦があるので、会の当日には「…今日まじで飲むんか?」となるのだが、それでもこの会で最後まで美味しく酒を飲み終えられるのは、新澤醸造店さんのお酒だからこそだなあとしみじみ思う。
新澤醸造店さんのお酒を飲み干し、二喬さんの酒を追加で一杯いただき、お開き。
ほろ酔いの身体にみちのくの冷たい空気が心地いい。
冷えてきた手を股に挟みつつ地下鉄で青葉通りに移動し、ラーメンを啜って解散。
来年また来るぞ、仙台。